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SOHOこそ大事にしたいオフィスづくり

SOHOという形態で事業を行う人も増えています。SOHOとは自宅や小さな事務所で起業するビジネス形態のことです。事務所の賃料が安く済むため、企業初期の段階ではよくある形態になります。そもそも、SOHOという業態の定義については特に決まってはいません。はっきり言って都合よくつかわれているだけに過ぎないのです。フリーランス、マイクロビジネス、ベンチャー(起業)、中小企業などといった事業規模に関わらず、全てSOHOとしてメディアで紹介されているのがその原因でしょう。しかしながら、厳密にフリーランス・マイクロビジネスと、ベンチャー・中小企業では全く異なります。

小規模事業者という意味では、「スタートアップ」や「アーリーステージ」にあるベンチャー企業もまた同じく小規模であり、これらは将来的な発展を見据えて企業活動をしています。事業拡大やビジネス売却などを視野に、一時的な段階として起業時にSOHOを選んだだけに過ぎません。一方で、フリーランスやマイクロビジネスという形態では現状維持しか考えてないことが一般的です。。

別にどちらが良い、どちらが偉いという話ではないのですが、SOHOでずっと食べていけるなら、世の中にSOHOしかなくなってしまうはずです。ここ数年を考えても、昨日までの事業が、明日いきなり仕事がなくなるなんてことも普通い起こる世の中において、現状維持だけを目標とした企業が、事業も何も現状維持のままで生き残ろうというのはさすがに困難だと思います。今が楽で食べていけたとしても、競争力がないため、力をつけた企業が市場参入し、シェアを獲りにくればたちまち蹴散らされることでしょう。

要は、SOHOだろうがなんだろうが、力のない企業では生き残るのは困難な時代なのです。自宅から始まったインターネットサービスが大企業まで成長したストーリーは探せばいくつも見つかるはず。それらすべてが野心を持っていたわけではなく、才気ある経営者であれば、自然と会社は伸びるのです。楽だからだけで、SOHOなんてあいまいな言葉を使ってそれっぽくビジネスをしているといつか足元をすくわれることになるでしょう。

とりあえず、どのようなSOHOの形態だとしてもきちんとオフィス作りはしませんか。内面は外見に表れるなんて言葉がありますが、その逆だってあり得ます。外見が内面を作ることだってあるのです。きちんとしたオフィス然としておくことは、どのようなSOHOであっても大切なことだと思います。自宅でそのまま仕事してるようでは、それはただの内職です。かっこよく言ってもマイクロビジネスぐらいでしょうか。事務所を構えるからには、オフィス家具は揃えるべきです。中古のオフィス家具などで揃えれば、初期費用だってそこまでかからないので利用するといいでしょう。

思い出してみて下さい。「ノマド」なんて業態が一瞬だけ流行って、すぐに消えました。SOHOは定義があいまいな分、言葉として生きているだけです。どんな業態であれ、将来の安泰は保証されていないことを認め、改めて気を引きしめましょう。仕事をし、対価を得るということはそんなに簡単なものではないのですから。

3d rendering of a modern workspace